以前、舵オンラインでも紹介した、彫刻の匠、前島木彫所の前島秀光さん(通称、まえさん)。祖父の代から寺社の彫刻を生業とする「堂宮彫刻師」です。この前島木彫所へ、海ガールの矢口あやはさんが1日弟子入り! 小さな木造ヨットの模型を完成させるため、東京・池上の工房へやってきました。
(タイトル写真=まえさん(左)と、あやはさん。前島木彫所にて)
まるでジブリ映画に出てきそうなワクワクする工房は、地下1階にあります。その階段は、まるで異世界への入口。そこには、所狭しと木彫に使用する不思議な道具たちが、整然と並んでいます。まずは、これらの道具のお話。どれもこれも見たことないものばかりす。
一通り道具のお勉強を楽しんだあとは、いよいよ小型木造模型に挑戦。イメージは、アーサー・ランサムの小説『ツバメ号とアマゾン号』に登場しそうな木造のキャットリグ・ディンギーです。なんと、セールも木を彫って作るといいます! まじか。1日で終わるのか!? 途中途中、まえさんの神の手をお借りしながら製作を進めました(笑)。
あやはさんはイラストレーターでもあり、クラフトワークはかなりの腕前。初めてのカンナ作業もすぐにコツをつかんで、ボートのハルをぐんぐん削っていきます。そんな様子を記録した、貴重な動画を紹介。ぜひご覧ください♪
動画は、今回の記事の最後にあり!
まえさんこと、前島秀光さんがお出迎え。1日お世話になります
ここがまえさんの工房。ずーっと見ていたい、説明を聞いていたい、そんなワクワクの空間です
では、戦闘服(作業用エプロン)に身を包み、いざ木彫へ!
これがまえさんの貴重な仕事道具たちです
珍しい道具3選。くり小刀、あぜ引き鋸、毛引
カンナもずらり。お父さんにお母さんに子どもたちに(笑)。家族がいっぱい
豆カンナのセット。学校実習用にまえさんが手作りしたもの。すごい数
使用箇所によってさまざまな形をするカンナたち。ラウンド面もきれいに削れます
いよいよハルを削っていこう! 木目の方向を読んで、すーっとカンナを押していく。シュル、シュル、シュル! 無になります
左がまえさん作製の完成イメージ。右があやはさんがこれから削るハル
鉛筆で印したラインに沿って削っていく。右舷はきれいに決まりました
ハルはライトグリーンに、デッキはレモンイエローに決定♪
イラストレーターだけに、筆を持ったらほぼ無敵。どんどん塗っていきます
まえさんが削ってくださったセールに艇名とセールナンバーを入れて・・・ついに完成です!
photo by Ayaha Yaguchi
完成したヨットに、紙粘土で作ったあやはさんのオリジナルキャラ、かわいい宇宙人と猫を乗せて。ヒオウギガイと真珠にヒトデ、たくさん積んで冒険の旅に出航!
前島木彫所のまえさんの1日弟子入り作戦は無事終了。インタビューもしながら、自分の作品を完成させなければと、編集部の無理難題にお応えいただき感謝です。まえさんの工房は、ずっと笑顔で満ち満ちる。あまりに水が合い、このまま永久に弟子入りしそうな、あやはさんなのでした。
(文=Kazi編集部/中村剛司 写真=舵社/山岸重彦 動画=Kazi編集部/松山 暁)
※本記事は月刊『Kazi』2021年8月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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矢口あやは
Kazi誌にて連載「矢口あやは、海ガールはじめました!」執筆中。6月14日、大阪生まれ。ライター、ときどきイラストレーター。旅行誌やカルチャー誌を中心に、グルメ、歴史、美容などのジャンルで活動。生物が好きで2014年に狩猟免許を取得。夢はヨットで世界一周。
ブログ: https://ayaha-yaguchi.amebaownd.com/
インスタグラム: https://www.instagram.com/ayaha614/
note : https://note.com/sakusaku_ok
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